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袴のはなし 〜雑記帳〜

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ひつき

こんにちは ひつきです。

いつも おつかれさまです。
〜 毎日を顔晴るあなたへ 〜
ちょっと、ここで一息つきませんか?

お久しぶりです。あっという間に3月ですね。
朝晩はまだ寒いですが、お昼時のポカポカ陽気に春を感じるようになりました。
例年より随分と遅れたようですが、九州では、ようやく桜も咲き始めました。
私はというと、外での仕事や愛猫(16歳の老にゃんこ)の介護、合氣道稽古の復活(1月を丸々サボってしまいました。。)と結構、日々をくるくると過ごしております。
本当に歳を重ねるごと、毎日の過ぎ去る時間の早さをひしひしと感じる様になりました。

今年は早々から嬉しいことがありました。
昨年は、年初めから3月4月にかけて、いろんな場所でさまざまな方々と「お別れ」する事が多かったのですが、今年は1月から毎月、稽古場に見学の方々が来られています。
そして、今年はなんと毎月数人単位で入会されてます!!
お子さんから大人の方まで。。割合的には男性が若干多く入会されてますが、毎年、女性の入会は1〜2人だったのが今年はすでに3人以上の女性が入会!
しかも、入会された皆様全員、2回目に来られた時はすでに道着をきちんと着ておられてました。本当に嬉しいです。増えました!合氣道女子!

入会者数を性別で分けましたが、昨今、性別について、いろんな事が言われていますね。
センシティブな問題ではありますが、武道の稽古では、どうしてもお互いの身体の違いは如実に現れます。
私見ですが、身体の違いを「差別」と思うのではなく「区別」と考え、稽古に励んでいるところです。

日々の稽古を積み重ね、昇級試験を受けていくと、いつか「袴」を着用する時がやってきます。
私も入会したての頃、先生方や先輩方の袴姿を見て「いつか私も・・。」と思い、合氣道にはまっていきました。
憧れの「袴」を手に入れた時、本当に嬉しくてたまらなかったことを昨日のことの様に思い出します。
そして今年は、ようやく「演武会」も復活する事が決まりました。
ということで、思わず・・「袴」新調しました。

剣道や居合道、弓道と入門当初から着用する武道と違い、途中から「袴」を着用する合気道。なぜ、途中から着用するようになるのか?
そこに深い歴史があったことを知りましたので、ここでお伝えしたいと思います。

一つづつ説明していきますので、結果を先に知りたい時は、目次から飛んでくださると助かります〜。
「ゆっくり読むよ。」と思ってくださる方は、どうぞ、そのままお付き合いくださいませ。

袴を着用する理由

袴は、「武道の道場に入門している修練者の証」。
これは、武道自体が大きく普及し始めた年代が江戸時代だったことから商人、農民も「武道の道へ入りましたよ。」という証のために、入門当初から着用するようになったのが始まりだったそうです。

まぁ、いつの時代も、習い始めるとそれを披露したくなる人がいたようで、それをたしなめるとともに周りの人へ「この人は武道を習っていますよ。」ということを伝えるためと言える様ですね。
ですが、年月が経ち、戦争が始まり物資がなくなった時代に入ると袴を用意するのが難しかったため、その証は一旦消えてしまいました。

ふくろうさん

この当時は「武道修練者」という位置付け=「袴」だったため、今はあまり見かけることはなくなりましたが、空手や柔道も袴を着用されていたそうです。

ひつき

現在、合氣道では、いろんな流派があります。
各流派によって袴を着用する段階や作法が違います。
ちなみに私が所属する合気会では、「初段」から袴を着用できる様になっています。

袴の色は何色あるのか

袴の色は、通常「紺」と「黒」の二色です。
開祖は晩年「白」も履いておられたようです。そして、いろんな流派の動画を拝見しますと、開祖と同じように一番上の立場の方が「白」や「茶」を履いておられるところもあるようです。
このように立場によって袴の色が変わるみたいですが、私たち門下生は「紺」もしくは「黒」のどちらかを自分で選び着用します。

ふくろうさん

この色の選び方についても各流派で考え方が変わってくるようです。
ちなみに「黒」をよく愛用しているのは「合氣道」と「弓道」で、「剣道」や他の武道では「紺」が主流になってます。

現代は「紺」と「黒」どちらも選べますが、染め物としては「紺色」が始まりの色になります。紺の袴は「藍染め」なんですね。
藍染は、①腐敗の防止効果があるためカビが生えにくいこと、②万が一、怪我をしたとしても傷口を化膿させないなどの抑止力にもなっていたという素晴らしい作用もあったと言われています。

ひつき

ただ、とても残念なことに藍染の袴は洗濯していくと膝の所などが白く薄くなっていくんです。そして、着用していくと白い道着にも色がついてしまう事があります。
やはり汗をかくものですから、どうしても仕方のない事なんですよね。

藍染は染めれば染めるほど濃くなり、限りなく黒に近くなります。
藍染の良さは言わずもがなですが、袴のお洗濯の回数を考えると個人的にはお着物で着用したい染め物なんですよね・・しっとりした色合いがなんとも言えません。
あと、時代がちょっと遡りますが黒の染め物といえば、伊達政宗公が伊達藩内で黒染料の生産を始めたとされている伊達黒が有名ですね。先の戦の際、「黒」の鉄砲等で勝利したことから伊達藩では黒い染め物を好むようになり、それは現代でも引き継がれているようです。伊達黒の染め物には光沢があり、品質も最高なことから現代でも最高級品として扱われています。

黒帯になってから袴を着用する理由

袴を着用する理由。それは、技を教えていただける白帯時代と学んだことをもっと自分の中に馴染ませるための稽古、いわゆる、教えていただく時代が過ぎた黒帯を分けるためとも言われています。そして、その中で自分の足捌きを悟られないためとも。
黒帯になったからには、白帯さんたちの模範にならなければなりません。
袴を着用するということは、それに伴う誇りや責任を着用するということなんですね。

白の道着、反対色の袴は合氣道にとって意味があった

昔から白と黒は、陰陽色であり、白の道着と反対色の袴、これは陰陽の和合を意味する合氣道そのものを表しているのだと言われています。上半身の白い陽は、おへその下部分である臍下丹田から天に上がっていくことを示し、下半身の黒い陰は臍下丹田から地に向かっていくことを示していて、この中心の氣の交わるところで技を織りなす合氣道にとっては、ぴったりと当てはまっている事がわかります。

開祖は、「古典の古事記の実行が合気である。」とのお言葉を残されています。
つまり、呼吸の仕方から始まり(呼吸法という技があります。)身体で体感していくことが合氣道の稽古とされ、最も無理のない自然体で、最も理にかなった技を行うこと。そして、その人の中に織り合わされた言霊の波動が、最もバランスよくその機能を発揮した時、宇宙と繋がり、宇宙の営みの現れである神々とつながる。と開祖は仰ったそうです。
〜「合気道を学ぶ人のための古事記入門」合気道日心館館長、井上強一著より抜粋〜

ひつき

ちょっと難しくなってきましたが、合氣道という武道は武道でありながらも魂の学びをする場でもあるということなんですね。
これについては、第二代目道主、吉祥丸先生が書かれた「合気神髄」という本の中でも詳しく書かれています。

ちなみにこれがその「合気神髄」です。

「美しきこの天地の御姿は 主のつくりし一家なりけり」
開祖が遺された道歌のひとつです。
これは、敵のない境地、相手のない世界、造物主が造られてたこの地球上で何の争いを起こす必要があろう。愛と和合の真心によって、中心に帰一し、美しい天国浄土の世界をきづく事が、この道に与えられた使命であり生命である。という意味だそうです。
「合氣道」創始者道主、植芝盛平監修 道場長、植芝吉祥丸著 復刻版奥付より

ひつき


このように開祖は様々なお言葉を残されていますが、現代においては、その多くが忘れられ、技だけに執着しているような感じがします。各流派によって教え方が違うと思いますが、合気会より九州へ派遣された(開祖の最後の直弟子である)菅沼守人師範(祥平塾道場長)は審査講習会の折に、よく開祖のお言葉を教えてくださいます。
私は、身体が織りなす技と精神的成長を促す開祖のお言葉を教えてくださる菅沼守人師範とのご縁をいただけたことに、本当に感謝しています。

最後に

合氣道がなぜ途中から袴を着用するのか。それは、それまでの稽古による経験や知識に誇りと責任を持って、次代の人たちへ合気道の道を繋ぐ人たちの証という意味合いを持っていたからなんですね。
これは合氣道に限らず、全ての武道に通ずることだと思いますが、先人たちから引き継いだそれぞれの道を次代を担う人たちへ繋げていく架け橋になっていくのが、黒帯を締める意味なのかもしれません。

今回、私が購入した袴はこちらの東山堂さんが運営する「みやこ道衣」さんで購入いたしました。同じ品物でした。
プリーツがしっかりついていて、たたみやすいですし、色合いもとても綺麗です。

ふくろうさん
ふくろうさん
今年に入り、ようやくまたこちらで雑談をさせていただきました。
毎回のことですが、合氣道の話になると身が引き締まる思いになります。
合氣道の話が多かったようなので、これからまた違うお話も書かせていただこうと思っています。
あなた様とのご縁に感謝します。
それでは また。
ありがとうございました。
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